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PMSを軽くする”食事と運動”のベストタイミングとは?

「生理前になると、わけもなくイライラして、恋人や家族にあたってしまう」「体が鉛のように重くて、何もやる気が起きない」「甘いものやジャンクフードが無性に食べたくなって、止まらない…」

毎月やってくるこの不調、PMS(月経前症候群)。多くの女性が「仕方ないこと」として、ただ耐え忍んでいるのではないでしょうか。しかし、その不快な症状は、あなたのせいでも、あなたの性格の問題でもありません。それは、女性ホルモンのダイナミックな変動によって引き起こされる、体からのサインなのです。

そして、最も重要なことは、PMSは「耐える」ものではなく、賢く「マネジメント」できるということ。

その鍵を握るのが、「タイミング」です。あなたの体が今、月経周期のどのステージにいるのかを理解し、その時期に最適な「食事」と「運動」を戦略的に取り入れること。これこそが、薬に頼らず、PMSの波を穏やかに乗りこなすための最も効果的なアプローチです。

この記事では、女性の体を支配するホルモンリズムの仕組みから解き明かし、「いつ、何を食べて、どう動くべきか」という具体的なアクションプランを、誰よりも分かりやすく解説します。もうPMSに振り回される人生は終わり。自分の体のリズムを知り、それを味方につけることで、毎月をずっと快適に過ごしましょう。

目次

なぜPMSは起こるの?- すべては「女性ホルモン」の仕業

PMSの対策を立てる前に、まずはその原因を正しく理解しましょう。主役はエストロゲン(卵胞ホルモン)」プロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンです。

女性の体は、約28日周期でこの2つのホルモンの分泌量が劇的に変化します。特に問題となるのが、排卵後から生理が始まるまでの黄体期です。

  1. プロゲステロンの増加 この時期に急増するプロゲステロンは、体に水分を溜め込ませ(→むくみ)、血糖値を不安定にし(→食欲爆発)、眠気を引き起こします。
  2. セロトニンの減少 エストロゲンとプロゲステロンの急激な変動は、精神の安定に関わる脳内物質「セロトニン(幸せホルモン)」の分泌を減少させます。これが、イライラ、気分の落ち込み、うつなどの精神的な不調の大きな原因です。

つまり、PMSとは「黄体期」に起こるホルモンバランスの乱れが、心と体に様々な不調を引き起こす現象なのです。だからこそ、この周期ごとの特徴に合わせたケアが、何よりも重要になります。

攻略法①:月経周期に合わせた「シンクロ食事術」

「何を食べるか」は、PMS対策の根幹です。しかし、もっと重要なのは「いつ、何を食べるか」。月経周期を4つのステージに分け、それぞれの時期に最適な栄養戦略を見ていきましょう。

👉 【パーソナルトレーナーの声】
「『この時期だからこれを食べる』と決めておくだけで、暴飲暴食が劇的に減ります。逆に“何を食べたらいいか分からない”時こそ食欲が暴走しやすいんです。」

時期(通称)心と体の状態食事戦略のゴール
①卵胞期(キラキラ期)
(生理後~排卵前)心身ともに絶好調!
エストロゲンが増加し、代謝が活発に。気分も前向きで、肌の調子も良い。エネルギーを蓄え、良質な卵子を育む・良質なタンパク質: 卵、鶏胸肉、魚、大豆製品
・鉄分: 赤身肉、レバー、あさり、小松菜
・発酵食品: ヨーグルト、納豆、キムチ(腸内環境を整える)
②排卵期(アクティブ期)
(排卵日前後)エネルギーレベルがピークに。
エストロゲンが頂点に達し、最も活動的になれる時期。食欲は比較的安定。過剰なエストロゲンを排出し、体を整える・食物繊維: きのこ類、海藻類、ごぼう、オートミール
・抗酸化物質: ベリー類、パプリカ、ブロッコリー、ナッツ類
③黄体期(PMS期)
(排卵後~生理前)心身ともに不安定に。
プロゲステロンの影響で、むくみ、便秘、眠気、イライラ、食欲増進などが起こりやすい。血糖値の安定、セロトニン生成、むくみ解消・マグネシウム: ナッツ、海藻、ほうれん草、カカオ70%以上のチョコ
・カルシウム: ヨーグルト、チーズ、小魚、豆腐
・ビタミンB6: 鶏肉、鮭、バナナ、さつまいも
・トリプトファン: 卵、乳製品、大豆製品、赤身肉
・カリウム: バナナ、アボカド、ほうれん草、ひじき
④月経期(リセット期)
(生理中)デトックス期間。
ホルモンレベルが最も低く、体が冷えやすい。腹痛やだるさを感じやすい。失われた鉄分を補給し、体を温める・鉄分: レバー、赤身肉、あさり、ほうれん草
・ビタミンC: ピーマン、レモン、キウイ(鉄の吸収を助ける)
・体を温める食材: 生姜、根菜類(人参、ごぼう)、かぼちゃ
・オメガ3脂肪酸: 青魚(鯖、鰯)、亜麻仁油(痛みを和らげる)

PMS期に特に避けたい「NG食品」

黄体期(PMS期)には、以下の食品を意識的に減らすだけで、不調が驚くほど軽くなることがあります。

  • 白砂糖・精製炭水化物: 血糖値の乱高下を招き、イライラや異常な食欲の原因に。
  • カフェイン: 交感神経を刺激し、不安感や乳房の張りを悪化させる可能性が。
  • アルコール: 肝臓に負担をかけ、ホルモンバランスを乱し、気分を落ち込ませる原因に。
  • 塩分の多い加工食品: むくみを悪化させます。スナック菓子やカップ麺は控えめに。

👉 【トレーナーのコメント】
「特にカフェインと砂糖。PMS期はこれだけ減らすだけで『イライラが半分になった』という方が本当に多いです。」

攻略法②:気分が上がる「シンクロ運動術」

運動は、PMS症状の緩和に非常に効果的です。特に、有酸素運動は幸福感をもたらす「エンドルフィン」の分泌を促し、最高の気分転換になります。これも「タイミング」が重要です。

👉 【現場の声】
「“運動したらPMSの重だるさが消えた”という声は非常に多いです。ただし頑張りすぎは逆効果なので、時期に合わせて調整するのが超重要。」

時期(通称)心と体の状態運動戦略のゴール
①卵胞期(キラキラ期)やる気も体力も十分!
新しいことに挑戦したり、目標を立てるのに最適な時期。筋力&体力アップ・高強度インターバルトレーニング(HIIT)
・筋力トレーニング(スクワット、ランジなど)
・ランニング、サイクリング
②排卵期(アクティブ期)パフォーマンスが最高潮に。
体のキレが良く、難しい動きにも対応しやすい。パフォーマンス向上・ダンスエクササイズ
・ボクササイズ
・少し負荷の高いヨガやピラティス
③黄体期(PMS期)無理は禁物。
体が重く、疲れやすい。頑張りすぎるとストレスになり逆効果。リラックス&ストレス解消・ウォーキング(30分程度)
・軽いジョギング
・リラックス系のヨガ、ストレッチ
・ピラティス
④月経期(リセット期)休息を最優先に。
体調が優れない場合は無理しない。動くならごく軽く。血行促進&リラックス・軽いストレッチ
・散歩(15分程度)
・ヨガの「チャイルドポーズ」や「猫と牛のポーズ」
※腹圧がかかる運動は避ける

よくある質問(FAQ)

Q1. 周期が不規則で、いつがどの時期か分かりません。

A1. まずは基礎体温を測ることをお勧めします。排卵を境に低温期(卵胞期)と高温期(黄体期)に分かれるため、自分の体のリズムを把握する最も正確な方法です。また、最近では月経周期を記録・予測してくれる便利なアプリも多数あるので、活用してみましょう。まずは「生理が始まった日」を記録することから始めてみてください。

Q2. どうしても甘いものが食べたくなったら、どうすればいいですか?

A2. PMS期の食欲はホルモンの影響なので、意志の力だけで抑えるのは困難です。そんな時は「我慢」ではなく「置き換え」を考えましょう。スナック菓子やケーキの代わりに、カカオ70%以上のチョコレート、素焼きナッツ、ドライフルーツ、焼き芋、ギリシャヨーグルトなどを選んでみてください。これらは血糖値を上げにくく、マグネシウムやタンパク質などの栄養も摂れるので、罪悪感なく満足感を得られます。

Q3. 運動する気力も起きない時は、どうすればいいですか?

A3. 無理に動く必要は全くありません。そんな時は「何もしない」が正解です。アロマを焚いたり、好きな音楽を聴いたり、温かいハーブティーを飲んだりして、徹底的に自分を甘やかしましょう。5分間のストレッチや深呼吸だけでも、心身をリラックスさせる効果は十分にあります。「やらなきゃ」という思考を手放すことが、一番のセルフケアです。

✨パーソナルトレーニングジムで実際にあった事象

① 甘いものが止まらないクライアント

生理前になるとケーキやチョコを一気に食べてしまうという30代の女性。

トレーナーが「まずは夕方にナッツと高カカオチョコを用意しておくルール」を提案したところ…

翌月には「暴走がピタッと止まりました!」と喜んで頂けました‼︎
実際に体重も体脂肪も安定し、メンタルの波も以前より穏やかに。

まとめ:自分の体の「声」を聴くことから始めよう

PMS対策の極意は、画一的な健康法を闇雲に試すことではありません。それは、月経周期という自分だけのユニークなリズムに耳を澄まし、その時々の体の声に寄り添ってあげることです。

「今は、体がエネルギーを欲している時期だな」「今は、休息を必要としているサインだな」

そうやって自分の体を理解し、最適な食事と運動で応えてあげる。この対話こそが、PMSという厄介な隣人と、上手に付き合っていくための鍵となります。

この記事で紹介した「シンクロ食事術」と「シンクロ運動術」は、そのための具体的なツールです。今日からすべてを完璧にこなす必要はありません。まずは、自分が今どの時期にいるのかを意識し、できそうなことから一つ、試してみてください。

自分の体を理解し、大切に扱うことができたとき、あなたはPMSに振り回されるのではなく、自分の人生の主導権をしっかりと握ることができるようになるはずです。

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